歳に似合わない私の振る舞いを不思議に思うのか、「健康の秘訣は何ですか」「どうしてそんなに元気でいられるのか、長寿の秘訣があるのか」とよく問われる。上記の表に示すとおり、 凡てが何十年も続いており、多くの方が意志の強さに驚かれる。おそらく誰もが、私の健康法は自分には不可能だと思うにちがいない。ところが、これらは意志の強さとは少しも関係がなく、誰でもできることなので、そのわけを述べる。
誰もが朝、洗面や歯磨きをする。もし怠ると、一日中、不快な気持ちになる。洗面や歯磨きは、すっきりして気持ちがいいので続くのである。私の健康法もそれと少しも違わない。それを実行すると快いからだ。禁煙を例にあげると、吸いたいのを我慢する苦しみより、困難だと思った禁煙に成功した喜びが大きかった。「今日一日だけ試しに禁煙してみよう」と思って気負わずに始めたことが、成功への鍵となった。その後、「今日一日だけ」が続いたのである。
大決心したのでもなく、大した努力もせずにやり遂げた喜びは大きく、「やればできるぞ」という自信が芽生えた。また、何事もできるという自分の可能性を信じるようになった。さらに厳しい目標に挑戦したくなり、自分にチャレンジすることに快感を覚えるようになっていった。 まず、アラームなしの5時起床である。朝の起床に他の力を借りるようでは、人間的成長は望めないと思ったのが理由だ。ところが不思議にも、5時になると自然に目が覚めるではないか。 そして、早朝の澄み切った空気へと自然に足が向くようになったのが、次なるジョギングへの始まりとなった。
朝のスタートがすっきりすると、一日中が積極的な動きを伴うようになり、充実した一日となることを実感した。こうして、次々とさらなる目標に挑戦するようになり、その厳しさや苦しさが大きいほど、やり終えた喜びが大きいことを体得していった。挑戦した目標を特別の行事でなく、洗面や食事と同じ生活時間に組みいれ、習慣化することによって、快さを愉しみながら続いたのが、私の健康法の秘策である。 |