我々の大先輩、多田野弘氏(昭和13卒M15)は、大正9年生まれで今年105歳を迎えられます。現在は、キャタピラータイプのクローラクレーンや車両積載型のオールテレーンクレーン等建設用クレーン及び高所作業車等の製造販売では世界屈指を誇り、香川県高松市に本社を置く株式会社タダノの名誉相談役をされています。
旧制小学校を卒業し、進学するにあたり、当時香川県は素より四国には機械科たるものがなかったとの事。大阪の「大阪府立西野田職工学校」に目的の機械科があることが判明。8倍もの狭き門を見事合格され、昭和9年に入学、昭和13年に高級科機械科を卒業されました。
卒業の1年後、海軍に志願し、航空機整備の厳しい基礎訓練に従事した後、予備役除隊。昭和16年10月召集され南方の最前線へ。そこで油圧機構を習得されます。
戦後、復員し高松の地で機械修理工場を始め、油圧を利用した荷役機械の試作機を完成させたのが現在のタダノの礎となったそうです。
健康の秘訣は、目標を定め、生活時間に組み入れて習慣化し、継続することとされています。例えば、71歳でパソコンを習得し、79歳からエッセイ「航海日誌」を毎月創作されていること、禁煙やアラームなしの5時起床などは現在も続いているとのことです。
今回、多田野様の経歴の寄稿をお願いし、ごく一部を掲載させて頂きました。会員各位におかれましては、拝読され、これからの長き人生の参考にして頂ければ幸甚に存じます。
S43.3卒 井上義雄
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